第参話「鳴らない、電話」での碇シンジの言葉。
初めて初号機に搭乗し、暴走し気を失ってしまったシンジでしたが、周囲に流されるように初号機に乗り、訓練を受けていました。
「目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ…」
とひたすら呟きながら、ボタンを押す「作業」をただ繰り返します。
周囲に求められるまま、自分の考えを持たずに従い、恐怖心を感じないように無感動な様子が不気味に見えます。
自分の考えとは違ってもそれを押し殺して従うことが社会に出ればたくさんありますが、14歳の少年が、周囲に言われるままに虚ろな目をして操縦桿を握る姿に不気味さ以上に痛々しさを感じますね。
シンジの名言の中でも有名な「目標をセンターに入れてスイッチ」という言葉は、現実に理不尽な思いをしている人がシンジの気持ちに同調するからこそ、人気があり、大人になっても使われ続ける名言なのかもしれません。